小4・10歳の壁と子どもの心理

小4・10歳の壁とは?

10歳、つまり小学四年生の時期の子どもに関連して「10歳の壁」という表現が使われる事があります。この年齢世代の子どもは子どもから大人へとシフトする時期にあります。

小4・10歳の壁と子どもの心理

法政大学文学部心理学科の渡辺弥生教授によると、子どもはこのあたりの年齢になると他者との比較をするようになります。周りの子どもたちと自分とを比べて劣等感を抱いたり自信をなくしてしまう傾向があるようです。

周りの子どもの意見にも影響されるようになり、次第に親のフォローだけでは自尊心を保てなくなることがあります。

別の変化は自主性の台頭です。「自分で物事を決めたい」という気持ちが高まると同時に、色々な分野の活動を試したくなる時期です。例えば習い事を始めたがったり、かと思ったらすぐに飽きてしまうという事もその一例と言えます。

10歳の壁に対処するために:比較する事

周りと自分を比較して劣等感を抱きすぎるのはよくありませんが、比較そのものが悪いわけではありません。自信過剰になって社会に適応できないのも問題です。ある程度客観的な比較判断をした上で、できないことを意識して改善できるようにフォローすると良いでしょう。

例えば親は単純に「あなたはあなた」、「あなたは頑張っている」という発言をするのではなく、まずは思っている事をしっかり聞いてあげるべきです。その上で一緒に改善策を考えてあげたり、具体的なやり方を模範として示してあげると、より効果的と言えます。

10歳の壁に対処するために:自主性

自主性については、ある程度自分で判断させてあげるようにしましょう。ある程度判断基準を与えてあげながらも、「あなたが決めてみなさい」という姿勢を見せてあげると、親への信頼感が高まります

もし始めた事をすぐに投げ出すような場合は、決めたことをある程度やり遂げる事の大切さを示してあげると良いでしょう。もし「どうしてもやめたい」という場合は、その理由を説明するように促してあげましょう。

逆にもし下した決定が良い結果になったり、決めた事を実行し続けているような事が分かった場合はしっかり褒めてあげるようにしましょう。それによって良い決定が良い結果や周りからの良い評判につながることに気づかせられるようになります。

そしてもしさらに改善できるポイントがある場合は、褒めてからそれをアドバイスしてあげることによって、よりスムーズに受け入れられるでしょう。